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動態平衡失調の概念

動態平衡失調の概念
目次

動態平衡失調の定義

 著者は「動態平衡失調」に対して次のように適切な定義をしました。著者は動態平衡が何であるのかが分かりました。動態平衡はまず一つの「生物力学」の概念があり、これは普通の固体力学と流体力学の力学概念とは異なります。まず生物力学はその複雑性があります。今のところ、世界中で自由で俊敏で複雑な動作、人間を模倣できる機器は何一つ作られていません。この種の自由、俊敏で複雑な動作は、今の力学ではその状況は更に複雑になったのです。これ以外に生物力学はその生命特性があります。生物力学の中の力学表現は時に生命活動の制約を受けます。力学は人体の中で表現する時に、厳格な時間的、空間的な制限を受け、かつ特定の量、均衡、程度の問題があります。著者が力学を用いて人体を研究する時、常にこの生物力学の三つの特性は軽視できないのです。

 著者が人体の動態平衡について話す時、生物学の三大特性を礎とします。いわゆる平衡は生命活動の制約下で、時間的空間的制限の元、特定の量と程度以内の活動です。いわゆる動態は人体の外在する活動状態と人体の組織器官の内在する活動状態を指します。この種の内在する活動状態の力学表現は極めて複雑で、「動態平衡失調が産生する四大病理要素」という項で詳細に説明します。すなわち動態平衡の定義は”人体の器官が正常な生命活動時に許容範囲内で、特定の時間、空間的に適度な量と程度内で、自由な活動状態を人体の動態平衡、これに対して動態平衡失調と呼ぶのです。

動態平衡失調の内包

 動態平衡失調というこの特殊な力学概念、この定義を著者は理解しました。しかしこの事は更に深く内在する意味があります。人体の正常なあらゆる筋肉は、収縮と弛緩の過程の中で全て体内の異なる幅で、その筋肉の縦軸を上下して、他の組織の移動に関連し、多くの筋群の各筋束は体内の異なる方向へ滑動し、人体は完全に様々な複雑な動作を可能にする、この事を基本的に理解しました。
 これらの軟部組織のある一点、又はある一部に癒着、痙縮、瘢痕が発生すると、筋肉とその他の組織は自由に伸縮や滑動出来なくなります。これは一つの病変で軟部組織の縦方向の動きを制限します。これは動態平衡失調が内在する意味です。その上、慢性軟部組織の癒着、痙縮、瘢痕、閉塞という四大病理要素の存在は軟部組織の横方向の動き及び相互に交叉する動きまでも制限し、同時に血液と体液の正常な流れも制限し、完全な閉塞をすると血液と体液は相応する部位で遮断され、ある部分は閉塞し、体液と血流の流量は減少し、流速は緩慢となり、このことで上流部の血液と体液の滞留と下流部の血液と体液の不足をまねき、この一点が流体力学の動態平衡失調といい、これは包括的に動態平衡失調の概念に含まれます。

 動態平衡失調の内包は上記の機械的、流体的に内在する活動制限を受けるだけでなく、更に包括的に生物性に自己保護する機能があります。軟部組織が内部で牽引される時、軟部組織は痙攣性痙縮として表現され、同様に内部運動を制限されます。次に軟部組織損傷変性が痙縮を作り出すことで、内部運動が制限され、これもまた動態平衡失調の内包する一部分となります。
 以上、動態平衡失調の内包の主な人体の内部運動器官に対する病理メカニズムの総括として述べました。

動態平衡失調の外延

 動態平衡失調概念の外延の主なものは人体外部運動器官の病理メカニズムの概括として述べます。
 人体の四肢、体幹、頭頚部、手指、足趾、これらの組織が生命活動を維持する中で、全て各自があるべき機能や作用を発揮します。しかし、これらの肢体の力学特性の表現は全て生命活動の制約を受け、時間的空間的な量と程度の範囲内ということです。これらの肢体の力学表現は極めて複雑で、しかも極めて自由です。慢性軟部組織疾患に罹患後、これらの肢体は生命活動の過程の中で自由に発揮するはずの機能や作用を維持出来なくなります。これはすなわち動態平衡失調の外延です。これは慢性軟部組織損傷の病理特性が内在する内容として概括しました。
 慢性軟部組織損傷の病理特性の外在する内容はとても重要で、我々がこの類の疾病を治癒させる時、外在する病理変化の消失に基づくことに依拠しなければなりません。この類の疾病の診断には外在する病理特性に基づかねばならず、   そのことで病変部位、病巣部の正確な位置を探すことが可能となり、効果的な治療を実行できるのです。

参考文献:朱汉章,针刀医学原理,人民卫生出版社:2002

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