MENU
北京堂鍼灸伊東

圧痛

圧痛

 軟部組織損傷の臨床でよく見られる部位は四肢関節や腰背部周囲の筋肉、靭帯、筋膜の骨付着部の所です。感覚神経からの病変は筋膜、筋肉の突出した部位で、その圧痛点の多くが筋肉の起始停止部や筋腹上に分布しています。筋肉、筋膜、靭帯、関節突起、滑膜の損傷として現れ、損傷部位に滅菌性炎症反応が生じ、充血、水腫、線維組織増殖、癒着などの局部病変が起こり、圧痛が出現します。圧痛がある限られた病変局部は神経の走行に沿って伝わったり、筋肉の走行に沿って伝わることがあります。圧痛は臨床医が軟部組織の重要な手段である触診により診断します。例えば脊柱起立筋(仙棘筋)の病変では相応する椎間板の部位に圧痛点を探し、横突間筋、腰背筋膜の中に病変に適合する横突起の部位を押し圧痛がある場合があります。股関節内転筋の病変では、恥骨結合や恥骨上枝、下枝の部位を押すと圧痛がある場合があり、これらは全て病変で軟部組織の付着部です。例えば浅腓骨神経の病変では下腿の外側の下1/3の所に浅腓骨神経が筋膜から出た所が圧痛点になります。その他では例えば腸骨稜中点の圧痛は上殿皮神経の病変を示しています。仙腸関節の病変時は上後腸骨棘と下後腸骨棘の間に圧痛があります。坐骨結節外縁と上後腸骨棘を結ぶ線のやや上、針灸でいう(秩辺)付近に圧痛がある時は、坐骨神経が梨状筋下孔から出る所の病変を示しています。坐骨結節と大腿骨大転子を結ぶ線の内側1/3に接する所、或いは臀皮壁の中央(承扶)に圧痛があると、坐骨神経の病変を示します。坐骨結節外縁に圧痛があると後大腿皮神経の病変を示します。大腿二頭筋と内転筋の間にある、穴でいうと「殷門(いんもん)」に相当する部位に圧痛があると、大腿部の坐骨神経病変を示します。膝窩横紋線から2~3cm上方の部位に圧痛があると、坐骨神経分枝の病変を示します。膝窩中央の(委中)に相当する部位の圧痛は、脛骨神経の病変を示しています。膝窩外側の大腿二頭筋の内側にある、(委陽)に相当する部位に圧痛があると、総腓骨神経の病変を示します。腓骨小頭の外下方、(陽陵泉)に相当する部位に圧痛があると、総腓骨神経分枝の病変を示します。下腿後中央の(承筋)及び(承山)に相当する部位に圧痛があると、脛骨神経の病変を示します。脛骨外側に沿って、(足三里)、(上巨虚)に相当する部位に圧痛があると、深腓骨神経の病変を示します。外果の後方、「崑崙(こんろん)」に相当する部位に圧痛があると長腓骨神経の病変を示します。内果の後方、「太渓(たいけい)」に相当する部位に圧痛があると、脛骨神経の病変を示します。鼠径部の中央、大腿動脈外側に接する、(衝門)に相当する位置の圧痛は、大腿神経の病変を示します。上前腸骨棘内側の(五枢、維道)に相当する部位の圧痛は、大腿外側皮神経の病変を示す、等あります。

 圧痛点は軟部組織の病変の存在を反映するだけでなく、病変の程度も反映します。軽い圧で明らかな疼痛があると、病変は比較的重いことを表します。有効な治療の後、痛みの程度が少なくなるにつれて、圧痛の程度も少なくなります。強い圧で押して「やや痛い」「痛くない」という反応の時は、軟部組織病変が基本的に回復したことを示します。圧痛点の検査は軟部組織病変の範囲を反映させます。圧痛点で改善した箇所が多いと、病変範囲では広範囲に治癒したと説明できます。通常の治療後、圧痛点が減少するにつれて、軟部組織病変の範囲も減少します。それゆえ、圧痛点の検査は治療効果の良し悪しを判断することができます。患者の症状の軽減は常に圧痛点の反応を比べることでスピーディーに分かります。もし病人の症状が軽快しても圧痛点がある時は治療を停止します。軟部組織病変治療の不徹底により、気候変化や疲労の蓄積などによる要素で、容易に症状が再発、又は軽減した症状がまた増悪するといったことが起こります。このように、軟部組織が引き起こす痛みは、圧痛点の消失或いは基本的な消失が治療を停止する証拠になるのです。

参考文献:胡超伟,超微针刀疗法,湖北科学技术出版社:2014

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次